OSCA
 TOCT-40125 ¥1,200(税込)
 2007年7月11日(水)発売
 ・初回限定ギザギザ仕様
 ・「東京事変 live tour 2007 Spa & Treatment」
   チケット先行予約チラシ封入。

 
 「OSCA」試聴 real wmp
 「OSCA」PV real wmp

 →小野田氏によるライナーノーツはこちら

1 OSCA O.S.C.A.
浮雲作詞作曲
主唄:林檎
副唄:浮雲
主叫:刄田
鍵盤:クラビネットとハモンドオルガン
2 ピノキオ Pinocchio
一葉作詞作曲
主唄:林檎単独
鍵盤:生ピアノ
3 鞄の中身 Crosswalk


 →「鞄の中身」英語詞 "crosswalk"
林檎作詞/一葉作曲
主唄:林檎単独
鍵盤:生ピアノ
其ノ他:刄田による大太鼓と合わせシンバル



ライナーノーツも掲載中。「OSCA」が深まってきます

【ニューシングル「キラーチューン」ライナーノーツ】

 セカンド・アルバム『大人(アダルト)』リリース後の全21公演に及んだ全国ツアー、そして7月に日比谷野外音楽堂で行った東京事変企画のイベント・ライヴ、そして、その直後に制作がスタートした映画『さくらん』と連動した椎名林檎×斎藤ネコ名義のアルバム 『平成風俗』。椎名林檎、そして、東京事変の勢いが止まらない。止まらないばかりか、スピードを更に加速させると、イタリアの名スポーツ・カーの名前を戴いた東京事変のニュー・シングル「OSCA」が新たな才能の開花を告げるべく、ここに到着した。その才能とは、ギタリストの浮雲、そしてキーボード奏者の伊澤一葉。プレイヤーとしては、既に非凡な才能を発揮している彼らが、この作品においては、ソングライターというもう一つの顔を明らかにしているのだ。自らペンを置いてまで、彼ら2人に楽曲制作を託した理由を、椎名は以下のように語る。

「二人にバンド加入をオファーしたのは、まず第一に作家として好きだったから。彼らの作家としてのいい部分が、存分に出た新作を発表するにあたって、昨年のツアーでは彼らの新曲を少しお見せしておきたいと思ったんです。あと、あのツアーでは初めて喉を壊して、曲のキーを下げてもらったんです。声のマックスでやってないと売れないっていう J-POPの風潮に反した低いキーの曲が音楽的だったし、「それでも全然いいな」って思えました。だから、本当はそのまま制作に入りたかったくらいだったんです」(椎名)

 しかし、手首の負傷をおして前述の全国ツアーを乗り切ったドラマー刄田綴色に休養の必要があり、同時に椎名の映画音楽プロジェクトが始まったことで生じたバンドとしての空白期間に浮雲と伊澤がソングライティングに着手。刄田が復帰したバンドは椎名不在のまま新作の準備を行い、全員が揃ったところでレコーディングが始まったという。そのセッションからピックアップされたのが本作「OSCA」だ。そのタイトル曲の詞曲を手掛けるのはギタリストの浮雲。カントリー・バンドやソウル/ジャズ・バンドでのプレイ経験があり、「映日紅の花」、「花魁」といった楽曲を椎名林檎ソロ作に提供してきた彼は、東京事変においても、「秘密 for DJ」でラップを披露するなど、その音楽性は幅広く、大胆不敵だ。「林檎さんにしても、とてつもなくレンジが広いと思うんですよ。世に作品を発表する時、彼女にしか出せないもの、椎名林檎節があると思うんですけど、僕にはそれがないから、カントリーだろうが何だろうが、僕から出た要素を彼女にちょっと当てるだけで、別の面に光を当てることになるじゃないですか。だから、色んなタイプの曲を持っていきましたね。今回は伊澤くんと2人で作っているじゃないですか。彼の場合、彼女がどういう立場で、みんなに何を求められているかを考える人だし、クラシックの素養もある人で、その点は林檎さんと一緒なんです。だから、僕はそうじゃない役回り、シンプルな方向性で場を引っかき回すってことがやりたかったんです」(浮雲)

 響きそれ自体は極めてポップでありながら、敢えて饒舌なメロディを避け、一瞬一瞬のリフやフレーズの強度に集中した楽曲と断片的な言葉を散りばめながら、だらしない男についてのイメージを浮かび上がらせてゆく詞世界。容易に掴み所を与えずに粋を感じさせる作風は彼のパーソナリティそのもの。分裂しているようで非常にスタイリッシュな一曲 であるように思う。それに対して、伊澤一葉が手掛けるカップリングの「ピノキオ」、「鞄の中身」は端正な佇まいのピアノ・オリエンテッドなポップ・ソングだ。

「僕の曲って、以前は前頭葉ばっかりを使って苦悩しながら作っていたんですけど、そういうのはやめて、ピアノから自然に音を拾っていく。曲に込める“メッセージ”のような高尚なものは今の僕にはないんです。“鞄の中身”はツアーの途中か、終わった直後。“ピノキオ”は去年の下半期に書きましたね。でも、まさか、林檎さんが本当に曲を書かないなんてありえないと思ってました」(伊澤一葉)

 以前から椎名と親交があり、楽曲に余裕すら感じさせる浮雲と、いきなりの大舞台に戸惑いつつも前作では名曲「手紙」をものにするなど、才能の肝が据わっている伊澤。絶大な信頼を置く彼らの楽曲を歌う椎名のヴォーカルは、これまでの楽曲の枠組みから解き放たれ、その表情は実に豊かだ。

「声の質の変化って、歌モノの場合、言語との相性に左右されるんです。二人とも歌詞を書いている曲では、その時点でヴォーカルの個性を作ってもらっているので、私が意図して聴かせ方をコントロールしてい る部分はないんです。ただ、二人は歌い手でもあるから、歌ってどうなるかを分かったうえで曲を書いているってことが安心なんです。あと、二人とも引き出しが多いんですけど、その広がってる方向が全く違うから、心強いんですよ。女性が全部曲を書いて、あとの演奏家が男性っていうグループは上手く成立した例を見たことがないし、私が作家であり続けると面白くなくなってしまうように思ったので、早く、別の体制に変わっていきたかったんです。でも、前作『大人(アダルト)』で二人が入ってくれたので、その日は近いなと楽しみにしていて、それが実現した現在感動も一入です」

 浮雲と伊澤一葉という二人の才能溢れるソングライターとヴォーカル表現の枠を押し広げる椎名林檎。そこにサウスポーの超絶ドラマー刄田綴色と一流プロデューサーの顔も持つベーシストの亀田誠治が加わった5人は、日本の音楽シーンのコース・レコードを塗り替えるべくチューンナップした東京事変でニュー・アルバムを目指す。

「変な音楽集団になったらいいなと思いますね。サウンド的な意味でのバンドである必要がなくて、曲は誰が書いたとしても、それをメンバー全員で育てていける集団。それでいて、曲はポップで、メジャーというフィールドにこだわってやっていけるような、そんなイメージがありますね」(浮雲)

<小野田雄>

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