早分かり 「平成風俗 大吟醸」
たいへんご好評をいただいている椎名林檎×斎藤ネコ渾身のアルバム「平成風俗」。こんどそのDVD VIDEO版「平成風俗 大吟醸」がリリースされますが、いったいCD版となにが違うのか、いまひとつ掴めないのが現状ではないでしょうか。ならば、ここで、あらゆる疑問を総ざらいしてみせましょう。「平成風俗 大吟醸」はこれほどに凄い作品ということをおわかりいただけるかと思います。
椎名林檎からのコメント

「平成風俗 大吟醸」体験レポート
 


完全初回生産限定DVD VIDEO
「平成風俗 大吟醸」
椎名林檎×斎藤ネコ

2007年4月25日(水)発売
TOBF-5520
¥4,500(税込)
■4月13日より、オンキョーのHD高品質音楽配信サイト「e-onkyo music」にて、「錯乱 TERRA ver.」「ハツコイ娼女」「花魁」「この世の限り」が24bit/96kHzの「HD Sound」で先行配信します(全曲配信は25日〜)。
■4月18日からは、「平成風俗 大吟醸」収録のNEW CLIP全曲が着ムービーで先行配信。

※ただいまNewClip2曲の先行フルストーリーミング視聴を実施中です


平成風俗(96kHz/24bit Motion Graphics&PV)
01 ギャンブル
02 茎
03 錯乱 TERRA ver.
04 ハツコイ娼女
05 パパイヤマンゴー
06 意識
07 浴室
08 迷彩
09 ポルターガイスト
10 カリソメ乙女 TAMEIKESANNOH ver.
11 花魁
12 夢のあと
13 この世の限り
[ボーナス・トラック]
14 カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.
  (椎名林檎×SOIL&"PIMP"SESSIONS)

特典(DTS 5.1ch/リニアPCM Motion Graphics&PV)
01 錯乱 TERRA ver.
02 花魁
03 la salle de bain

アルバム「平成風俗」をCDを超える高音質
96kHz/24bit でDVD VIDEOの音声トラックに全曲収録。

ボーナス・トラックに「カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.」を初収録
「この世の限り」のPVをはじめ、アルバム曲のイメージをモーション・グラフィックスで表現した 気鋭のクリエイターによる映像作品を収録
DTS 5.1ch サラウンドで「錯乱TERRA ver.」「花魁」「la salle de bain」を収録

※椎名林檎 初音楽監督作品 映画『さくらん』使用楽曲収録
※大吟醸仕様 アートブック&ポストカード風ブロマイド入り特殊パッケージ
   

−「平成風俗 大吟醸」ライナーノーツ−

 音楽配信やmp3プレイヤーが普及したことで以前より身近な存在になった音楽。その制作現場では、かつて高価だった高性能のレコーディング機材が安価で簡単に手に入るようになったことで、かつては大きなスタジオで行われていた作業が自宅でも可能になり、極端に言えば楽器が出来なくても作品制作が可能になったばかりか、簡単に作品が出せるようになった結果、毎月世に送り出される作品は爆発的に増え続けている。かつて、一部の特権階級のための娯楽だった音楽が、技術革新によって、広く共有されるようになったことは非常に素晴らしいことだと思う。
 しかし、その一方で弊害ももちろんある。膨大なリリース量は音楽の相対的な価値を下げることになり、コンビニエンスな制作環境は安易に作られる作品を増やすことになった。そうした現状に対する椎名林檎からの返答が今年2月にリリースされたアルバム『平成風俗』には込められていた。飛び抜けたクオリティの曲たちと表現力が飛び抜けたヴォーカル。それをブラッシュ・アップし、繊細さとダイナミズムを際立たせた斎藤ネコ氏の素晴らしいアレンジメント。それらを具現化するために集められた最大で70人のトップ・プレイヤーたち。ポピュラー・ミュージックとしての広い間口を設けつつ、彼女とそれをサポートするミュージシャンたちが表現者としての意地やプライドを高らかに鳴らしている渾身の一枚だと思う。ただし、事前に告知されていたように、この作品には"その後"が用意されていた。それが96kHz/24bitという高音質のDVD VIDEO版『平成風俗大吟醸』である。
 アルバムの内容それ自体はCD版『平成風俗』と同内容である本作のどこが"その後"なのか。それは、CDシングルより、身近であっても音質が悪い携帯電話で音楽が聴かれることが多くなった時代にあって、彼女は、高音質で音楽を聴くという行為がどれほど潤いがあって豊かなものであるか、音楽の本質に近づくものであるかを、自覚的に伝えようとしている点にある。実際に再生してみると、CDと比べて、この作品は何層にも重ねられていたベールが一枚一枚はぎ取られたような印象で、更なる奥行きや広がりが出ており、目の前で演奏しているかのような臨場感やその録音が行われているスタジオの空気感、はたまた、楽器を扱う指の動きや喉の震えが伝わってきて、形がないはずの音楽が見えるような、実体が与えられているかのような、そんな感想を持った。音の聞こえ方は、聴く者それぞれで、 これといった正解はなく、音の描写は筆者の印象論で語るほか伝える方法がないので恐縮だが、音の鳴りがCD以上のクオリティであることだけは間違いない。
 本作にあって、かなりの頻度でフィーチャーされているオーケストラは、部屋の音を丸ごと録音するため、どんな空間でレコーディングされているかが非常に重要であり、音数が多いだけに一音一音の録音方法や他の音との兼ね合いを考えつつ、どう鳴らすのかといった点も相当に吟味されている。また、そうしたオーソドックスな追求がなされている一方で、敢えて、正攻法をとらず、生音と打ち込みやエフェクトといった人工的な音を混ぜる静かに過激な試みも行われているのだが、音質のクオリティが上がることで、そうした一音一音に込められた彼女の意図、 伝統と革新が同居した世界観が明確に伝わってくる。つまり、この作品は椎名林檎の核心にまた一歩踏み込むことが出来る、そんな一枚なのだ。音の響きを追求した本作は、マニアックだったり、一般リスナーからかけ離れた作品に思われるかもしれないが、この作品は多くの知られざる秘密を雄弁に物語ってくれるという意味で重要な作品である。まだまだ底知れない椎名林檎の世界、その先の先で酌み交わされる大吟醸の味わい。それはもしかすると禁断の味なのかもしれないが……。   <小野田 雄>



Q 映像作品なんですか?
A 音楽作品です。「平成風俗」を、CDでは表現し切れなかった音で再現することに徹底してこだわりました。
  また、あわせて映像特典も収録されています。


Q なぜにDVDなのか
A 一般的に「音楽はCD、映像はDVD」と理解されていると思いますが、そもそもDVDは
  映像のみに特化した媒体ではありません。映像のような大きなデータでも記録できる大容量
  記憶媒体なのです。では、DVDという大容量の媒体に音楽データを落とし込んだ場合、
  CDよりも圧倒的に膨大な情報を記録できるのですから、実際の演奏に限りなく近い、ハイ
  クオリティな音を再現できるというわけです。


Q では、映像はどんなものなのですか?
A 各曲毎に、その曲をイメージして作られた映像が盛り込まれています。それぞれ名うてのクリエイターたちによって制作されました。
  それから、シングル「この世の限り」や「la salle de bain」のビデオクリップも収録されています。
  これだけでも盛りだくさんですね。


Q 持ってる機器で再生できないのでは
A 一般的なDVDプレイヤーやユニバーサルプレイヤーであれば、問題なく再生できます。パソコンやHDDでの再生も可能です。
  CDプレイヤーでは再生はできません。また、iPodには対応していません。


Q 容量が大きければ音質が向上するという理屈がわからない
A おっしゃる通りです。デジタルレコーディングのいろはをわからないと、本質的に理解出来ないかもしれません。
  それでは、以下でデジタルレコーディングについて、ご説明いたしましょう。

人間の耳に聞こえる音は、グラフ1のような滑らかな波形で表現できます。一方で、デジタルレコーディングでは、ある瞬間瞬間の音を抽出して記録(サンプリング)するので、波形はグラフ2のように角ばっています。音を厳密に、そして細かく抽出すればするほど高音質が実現でき、音の波形はより滑らかなものへと変化していくのです。

音を抽出する際の要素として、時間(サンプリングレート/kHz)音量(サンプリングビット/bit)が上げられます。1秒単位で音を抽出する回数が多ければ多いほど、また音を抽出する際の音量の幅が大きければ大きいほど、限りなく実際の音の再現に近づいていくのです。

では、CDとDVDの実力の違いをご覧に入れましょう。
↓グラフ1
↓グラフ2

CD
44.1kHz
(44100回/秒)
16bit
(音量0〜65535段階)
DVD VIDEO
48kHz〜96kHz
(96000回/秒)
16bit〜24bit
(音量0〜16770000段階)

  違いは一目瞭然ですね。DVDに軍配が上がります。(96kHz/24bitのレコーディングとCDについて


Q なら聴いてみて、具体的に音質が向上したことがわかりますか?
A きっとわかると思います。通常よりも音量を大きくしていただくか、あるいはヘッドフォンでお聴きいただくとより違いは明確
  です。車内のプレイヤーでの鑑賞も、強くお勧めします。自前のプレイヤーで聴いてみましたが、CDと比べ、まるで違う空間
  で聴いているような錯覚を覚えるほどでした。奥行き、幅、すべてが拡がりを見せ、ボーカルやそれぞれの楽器がよりはっきり
  と主張してくるのです。弦楽器の弾き始めの音、打楽器の強弱、ピアノの余韻、そしてボーカルの息遣い。音楽とはこれほどに
  濃密なものなのか、あなたは気付くことでしょう。
  ※ただし、上記のような高音質は、96kHz/24bit対応のDVDプレイヤーに限定されます。
   プレイヤーのスペックをよくご確認下さい。また、再生環境によっては音質の違いを感じることが難しい場合があります。


Q 音質が向上することはわかりましたが、それを「平成風俗」でやる必然性は?
A 大編成オーケストラの演奏が収録された作品ですので、できる限り実際のものに近い音質で再現してあげなければという思いです。
  また、DVDにしてみて最もCDとの音質差を感じられる作品こそ、この「平成風俗」なのです。


Q DTS 5.1chサラウンドって何ですか?
A 一般的なオーディオ機器は、スピーカーが二つの、いわゆるステレオ方
  式が多いと思います。ステレオは、二つのスピーカー(2ch)から音が
  出ることで、左右の音の広がりを表現することが出来ます。一方サラウ
  ンドは、スピーカーが前面の左右のほか、後方の左右、そして前面の中
  央の5つもある(5ch)ことで、全方位的に立体的な音を表現すること
  が出来るのです。ちなみに、5.1chの0.1chとは、低音を表現するサブ
  ウーファーを示しています。DTSとは、5.1chサラウンドの方式のこと
   です。通常のDVDで使用されている「ドルビーデジタル」5.1chサラウ
  ンドよりも情報量が多い、非常に音質の優れた方式なのです。


※イメージです