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「あー。おいらほんとに筆不精で嫌になる。」
まあほんとに嫌だったらもっとこりこりしたペースで書く筈なのだが、残念なことにやっぱりあんまり書く気がおきない。だからこの台詞は言ってみればただ言ってみただけ。
けれどね、全くの独り言って訳ではなくてですね、「ほう。こいつ少しは罪悪感を感じているのかしらね」と思ってくれたらいいなという希望的な願望が含まれていてですね、ほぼ3ヶ月振りに書くという情けない文章の書き出しにふさわしいのではと思った部分もあるわけであります。
効果のほどはいかほどかしら。
「面倒臭いおっさんね」
という思いもよらない効果の方がひょっとしたら大きかったかしら。
さてさて。ではどうして筆不精のおいらが久し振りに書く気になったかというと、答えは簡単。書くべきに値する出来事があったから。書くべき出来事がなくても書くのはプロだけどおいらは全面的にアマチュアなので書くべき出来事がない限り書かないのである。(自信満々に言うことではない)
けれど何時も全く書くべき出来事が無いわけではなくてですね、最近は様々なお仕事や、個人的に活動しているバンドや友人のバンドのお手伝いなどで、珍しくドラムを叩く機会も出掛ける機会も多い。よっておいしい出来事に出会うことも珍しくない。そのほかに今年に入ってからなぜか所帯じみた事にはまりまくっていて、プランター栽培とか、梅干しやららっきょうを漬けてみたり、陶芸体験に参加したり、更には部屋に新手の”恐ろしい何か”が現れるようになって、8年振りに本気で引っ越しを考えたりと、少なからず美味しそうなネタはある。
では何故書かないのかというと、それはおいらが「嫌にならない筆不精だから」というのは全くのデマで、単にもう少しもりっとしたネタが欲しいっていうだけである。
もちろんもりっとしてないネタで書いてる時も多いと感じる方もいらっしゃると思いますが、あくまでおいらがその時如何にもりっと来たかが重要なのであって、一般的な事柄の大小とは必ずしも比例しないのである。
だいたいちびのおっさんが、8キロの漬け物石抱えてスタジオに行きそうになった話しや、「土用干しの天気が心配だ」みたいな話しを誰か読みたいかいね?と思う訳です。
東京事変のドラムのひとが的な方向では、かえっておいしいのかもしれないけれど、おいらの文章最近そーいうのに頼り過ぎな気がするので、たまにはタフでハードでホットなネタはないかしらとアンテナをバリバリと張り巡らしていたわけであります。
そしてついに今日6月28日の午前5時30分、そのもりっとしたネタがおいらの前に現れたのです。(リアルに前置き長かったですね)場所は新大阪駅タクシー降り場。
その究極にもりっとした出来事とは。
『うんこ踏んじゃった(人糞)』
←こーいうの
下らなすぎて失神したひとがいないか心配です。
リアルうんこですよ。
タフでハードでひょっとしたらホットなリアルうんこです。
最高にもりっとしてるネタでしょう。
大きさも「これ、一人前?」と疑うほど恐ろしく巨大なうんちでした。ネタの決定力不足に悩むおいらに、よりによって上方大阪の神様が手を差し伸べてくれました。というより襲いかかって来たという方が正解か。
しかもその時履いていたのは、一昨日名古屋の高島屋?で買ったばっかりの真っ白な皮のサンダル。おいらにしたらけっこう高級でした。それが僅か36時間ほどでうんこまみれです。
パニックでしたよ。凄いの。見た目も。臭いも。
洗うったって少々の事では落ちそうも無いのです。裏のギザギザにはみっちり詰まってるし。(辛子蓮根)しかも駅のトイレです。水圧も「手洗うんならこんくらいっすよね」って程度だし、石鹸なんてありゃしません。洗面台の前で途方にくれること数分。あと20分後には新幹線に乗らなきゃいけないので、もうこりゃあかん、どっかに捨ててしまおうと、うんこサンダル片手に駅構内を彷徨い歩きました。
しかし探せど探せどゴミ箱は見つからない。「くそったれ!テロ対策とかムカつくんじゃい!」と腹を立ててみても、むしろくそったれはおいらだし、テロ行為に限りなく近い行為をしているのはおいらだし。泣きそうになりながら駅員さんに捨ててもらおうと近寄ると、早々においらのただならぬ気配(匂い)を察知し、仰け反りつつ半歩後退。
「あのー。これ、捨ててもらえませんか?」とお願いすると
「いや、ここではちょっと・・・」と言いながら更に一歩後退。
「いやね、あそこのタクシー降り場んとこにうんこが落ちててですね。これ、踏んじゃったんですよ。ゴミ箱探してもどこにもないので捨てて下さいよ」
「いや、あの・・その・・少々お待ち下さい!」って言いながら駅員事務所に駆け込んで行った。
『待たんかいコラ!おまえんとこの駅でこっちはババ踏んどんじゃい!!どないしてくれるつもりじゃドアホ!!なんやったらこのまんま新幹線乗って乗客のみなさんと楽しいふれ合いのひと時を過ごしたろかコラー!!』
って言いたいのをぐっとこらえて待っていると、三人連れで戻って来て「改札の中ならあそこにございます・・」って改札の向こう側を一人が指差した。
いろいろ納得いかない気持ちを抑えながら、改札を抜けゴミ箱までたどり着きほとんど新品のサンダルとお別れした。
このとき、そこらへんにうんちをつける訳にいかないのでサンダルは常に持ったままチケットを取り出し、旅行鞄を抱え改札を抜けるのはとても骨が折れた。三人の駅員は遠巻きに「ここはやはり、御自らの力で・・」と言いたげな顔でおいらを見ていた。
やっとの思いで東京行きの座席に座ってからも、おいらの気持ちは休まる事がなかった。
匂いがとれないのである。手も足も皮が剥けるほど洗ったので恐らくはそんな筈はないのだが、鼻に一度ついてしまった匂いはなかなか僕を解き放ってはくれないのである。車両のみんながおいらの匂いに顔をしかめているのではないかと気になって気になって仕方がないのである。しかもこんなときに限って、隣に座ったのは上品なスーツに身を包む若い綺麗な女性。数分間苦悩に喘いだ僕は、我慢出来ずに何度もこう聞きそうになった。
『おねえさん。ぼく。うんこ臭くないですか?』
教訓。
コラムのネタ探しは大阪では決してしてはいけない。
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