| 23回目 | |
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こんなお話がある。 少し長いがはしょらずに書く。 『桟橋と船』 ある小さな船着き場に、小さな桟橋があった。 桟橋は薄汚れ疲れていた。金具もいくつかとれていた。 ぎしぎし。ぎしぎし。 くっきょうな船乗りが桟橋の上を歩く。 船からおりる海の男達の靴の底はどうしてか、きれいだ。たぶん船の上では汚れる事が無いからだ。 たまに、優しい船乗りが金具を取り替えてくれたりもした。 桟橋は、疲れていたが。 幸せだった。 ある豪華な船があった。 豪華な船は疲れていた。船はには豪華な煙突、豪華な食堂、豪華な客室とかがあった。 こつこつ。こつこつ。 着飾った女や、見栄っ張りの男が、赤い絨毯が敷かれた廊下を歩く。 豪華な船の上を歩く着飾った女や見栄っ張り男の靴の底は、シャンパンや、チキンの汁で汚れていた。 たまに、優しい船乗りが汚れた絨毯についた汚れを拭ってくれたりもした。 豪華な船は、疲れていたが。 幸せだった。 ある日、嵐が吹き荒れた。 薄汚れた桟橋は嵐に耐えた。金具もたくさんとれた。 ある日、嵐が吹き荒れた。 豪華な船でも航路を変えなければならないほどの。 泊まるはずのない薄汚れた桟橋に、豪華な船が泊まった。 ぎしぎし。ぎしぎし。 ぎりぎり。ぎりぎり。 薄汚れた桟橋は、嵐の去った朝、その音で目が覚めた。 沢山の人間が、薄汚れた桟橋を豪華な桟橋に修理していた。 みるみるうちに、豪華な桟橋に変わった。 あろうことか、赤い絨毯まで敷かれた。 こつこつ。こつこつ。 沢山の見たことのないような豪華な格好をした人間たちが歩いている。豪華になった桟橋はうれしくなった。初めてかぐ甘い匂いや、食べ物の匂い。 桟橋は、豪華な船を見上げた。そして話しかけようとしたが、やめた。豪華な船は、最初から豪華だったんだから。 桟橋はそれ以来、嵐を待った。 ある小さな船着き場に、不思議な桟橋があった。 桟橋は薄汚れ疲れていた。金具もいくつかとれていた。 桟橋は薄汚れて疲れているくせに、汚れた赤い絨毯が敷かれていた。 おしまい。 だいたい人間関係なんてこんなものだ、だれかが羨ましいとか思っていても、逆の立場からすれば、そうでないことも多い。そして、だいたいが悲しくおわる。 男女関係にしても大体こんなもんだ。どちらかが、桟橋でどちらかが船だと思う。幸せとはとても言いがたい。が、桟橋を望むのも幸せだが、辛いことも多い。 まーねどーでもいいね。 そもそもコレおいらの作り話だもの。 たいした効力もない。 ではでは。 |
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