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僕には苦手なものが幾つかある。
いや、ホントのこと言うと苦手なものばかりっす。てな人間ですが、ここで挙げるとキリが無いので止めておく。いやぁ〜。ホントにキリが無いから止めとくよ。
何故に2回言ったのか少し意味不明だが、ま、そん位キリがないってことよ。キリが無いとはいえ、人の苦手な事での失敗談は面白いもので、一個くらい話しちゃおうかな?
例えば電車。殆ど毎日のように乗っているのだけれど、運が悪いというかノリが悪いというか(乗る。と、ノリを架けてみた。面白くもクソもなかった)ま、兎に角乗り継ぎのタイミングが絶望的に悪い。そのうえに、記憶力と呼ばれるものを母親の胎内に見事に置いて来てしまった人間で、未だにしまりに電話して「事務所って何線ですか?」って聞いたり。聞いたら聞いたで一つ前の駅で降りてしまったりする始末。調子に乗って、「えへへ、これに乗っちゃえば乗り換えが一回減るのだ」と意気揚々にして乗り込んだ電車が、のっけから反対方向に向かってしまってるぞ。てな事がしょっちゅうである。「事前によく計画したのに・・・・」
ようは向いていないのである。まあホームで「どうしよう、おいら電車に向いていないよう」と呟いた所でどうにもならないが、いつも呟く。もー帰っちゃおかな。なんて思って途方に暮れる。
この前、ある撮影の日にとんでもない遅刻をやらかした。そう、一つ付け加える。僕は”遅刻する”のも苦手である。あ、まあ、そもそも「そりゃ苦手ってよばねぇだろう」って声がね、聞こえてね、きそうですけれどもね。無視します。苦手なの、兎に角。なんでかって言うと待つのが苦手だから。苦手苦手うっさいね。ゆるいてよ。苦手なものってタイトル付けちゃったんだもの。
僕は基本的に遅刻はしない人間だ。と自負している。いや、たまにするんですけれどね。でもね、この職業の人間では、少ないほうやで。(なんで関西弁やねん)
40分。遅刻の好きな人なら(いないか、んな奴)そのぐらいの遅刻は楽勝かも知んないが、遅刻の苦手な僕にしてみれば、生涯まれにみる大遅刻だ。
そもそも基本的に僕は寝坊をしない。寝起きがサバンナで産まれた草食動物ように良い。14才の頃から現役で、いまだに目覚ましとしても活躍を続けるステレオコンポ(人生の半分以上の付き合いか。なんか凄みがあるね)の電源が入る小さな”ぷち。”という音で目が覚める。そしてCDが回り始めるまでに、マッハで電源を切る事が出来る。昔、付き合っていた彼女がよく言っていた。「朝イチでその瞬敏さは、なんだか恐いわ」と。
では何故遅刻をするのか、というと、答えは簡単。
「あ、お仕事忘れてた。」
てな、おマヌケな場合が殆ど。僕が遅刻が苦手な理由の一つに「上手い言い訳が見当たらない」ってのもある。正直に言ったとしても「あの。忘れてました」ってより、「すいません〜寝坊しました〜」って言う方がはるかにましな気がする。
しかし、とある事情でもう一昨年になるが、車に乗る事が出来なくなった為、電車で出勤する事が圧倒的に増え、仕事を忘れる。というおマヌケな理由+電車通勤というネガティブなファクターが加わった。
その朝、僕はちゃんと仕事を覚えていた。(なんだか自分が馬鹿らしくて涙が出そう・・。)何時もの様にコンポ君の産声だけでちゃんとめをさまし、事前にしまりから、「明日は14時20分入りよ。はたちんの最寄り駅からは40分位」と聞いていたので。12時50分には家を出た。入り時間の1時間30分前。所要時間のから考えて、「いくら何でも早く出過ぎじゃねぇか?」という声が聞こえてきそうですが、あのーーー、ね。またね、無視しちゃうもんね。遅刻と電車が苦手な僕には遅すぎるくらい。駅までのバスの事もある。到着駅からのタクシーの事もある。
《久我山から祖師谷大蔵への長旅》
その日、電車の苦手な馬鹿は、まず、バスを乗り間違えた、三鷹行きに乗ってやがる。気づいた時には三鷹駅で井の頭線を探していた。いっけね久我山行きに乗らなければならなかったのに・・・。まあまあ、ロスした時間はたかだか10分位。まだまだ余裕。というか「その足で病院に向かいなさい」と聞こえてきそうですが←(マイブーム。くどいね)無視。中央線で吉祥寺へ、総武線という手もある。そして最近知ったのだが地下鉄東西線と名乗るものもある。あきらかにJRです。という色格好をした中央線と総武線に比べ、妙に角張って居り、蒼いラインが入って、地下鉄と呼ばれているくせに地上を走る怪しげな姿が、あまりに無気味だった為、近付く事が無かったが、最近勇気を出して乗ってみた。此れがなにげに便利!凄いぞ三鷹駅!!
凄い三鷹から(?)井の頭線の急行に乗り換え永福町で各駅に乗り継いだ。少し信じられないくらいの流れる様にスムーズな乗り換えっぷりに、少し自分に対し疑心暗鬼になっていた。
「このままで本当によのか?」という不安が心をよぎる中、『新代田〜新代田〜』とのアナウンス。僕の心の間隙にピギーン!と何かが引っかかった。思わず電車から飛び下りた。そして向かいのホームに滑り込んで来た吉祥寺への各駅停車に乗り込んだ。
[説明しよう!この時点で既に東京にお住まいの方なら、恐らく、いや普通もっと前に、彼(刄田綴色)の失敗に気づくであろう。しかし東京にお住まいでない方も此れを読んで下さるかと思うので、説明させて頂きます。祖師谷大蔵は小田急線。乗り換えは下北沢。新代田の先である]
誰だ?今の。まあいいや。
やっべ、乗り過ごしちった!と思ったおいらは明大前まで戻った。そして京王線に乗り換えた。「ふぅ。まだ大丈夫だよ。まだ13時40分・・・と自分に言い聞かせ、ドアの上についた路線図を見た。「あり?・・・。祖師谷大蔵がなくねぇ?」仕事柄か知らないが色んなスタジオが多いため何度もいった事がある祖師谷大蔵が見当たらないのである「な、なくなった・・・・・・。駅ごとお引っ越し??・・・・・・・・・・・・・んなことあるかい!!おいらの馬鹿ちん!!さては小田急線か!?」さては?じゃねえだろ!馬鹿野郎!と思いながら、次の駅で飛び下りて、引き返す電車を待つ、こっからが、おいらの本領発揮!!こねーこねー電車がこねぇー。やっとの思いで明大前で乗り換え下北沢から小田急線に乗り換えた時、既に14時10分。駅からスタジオの道のりを抜きにしても、遅刻確定。しまりにメール。『急いでね』
って。落ち着いていらっしゃる。しかし、こっちは苦手なものの2点盛り。メロンと納豆の盛り合わせ。ありえないけれど。サンドイッチおかずにほかほかごはんを食べるようなもの。あーこれは全然関係ねえや。ただ言いたいだけ。相性悪いだけ。
イライライライラ。このぉ。下らねー駅にいちいちのんびり止まりやがって。
イライライライラ・・。このぉ。今から急行に変更しやがれ!!あっ、今のなし。急行にすると通りすぎちゃうよ。
イライライライラ・・・・・・・。
やっとの思いで祖師谷大蔵駅に着いた時、既に14時35分。「遅刻、ゲットだぜ!」んな古くさいこと言っとる場合じゃない。そうだ思い出した、この駅、タクシー乗り場が無いんだ。キヨスクのおばちゃんに、一番タクシーの通りそうな道までを聞いてダッシュッ!2人ぐらいあきらかにタクシーを待っているっぽい人間を発見。どうする?ポイントを変えるか?いや、あのキヨスクのおばちゃんの顔には、なんだか説得力があった。
案の定すんなりタクシーは来た。でも2台だけ。おいらの番になってから一向にこなくなった。くそぉ。
イライライライラ。くそぉキヨスクのおばちゃん、ガセネタつかましやがって!
よくよく考えてみれば、キヨスクのおばちゃんの顔なんてだいたいあんなもんだ。説得力あり”そう”な顔なだけだ。
イライライライラ・・。道路際をウロウロソワソワする俺に、一台の車が激しくクラクションを鳴らした。振り返り様思わず俺は「うっせー!馬鹿野郎!!」って叫んだ。交通法規で決められているのだ、危険な状態でも、歩行者にクラクションは鳴らしてはいけないのだ。文句があるなら降りてきやがれ的な顔で睨みつけた。相手もいっこうに引かない顔で停車したままだ。
刹那、さらに激しい音でクラクションが鳴った。睨合いをしている1台後ろの車からだ。でっかい白のベンツ、キンキラのホイール。あきらかに”あっち側の人間”が運転席と助手席から睨みつけている。「ですよねぇ〜」的な雰囲気で速攻和解。はいはい。馬鹿野郎はぼくでございますよ。失敬失敬。
そして、当然ポイントを変えようと言う結論にも至った。
すこし離れた処に少し大きめな通りがあったので、そこで陣をはろうと思い歩き出した。ふと後ろを振り返ると、西武のでっかい袋をもったおばちゃんが、さっきまで僕のいたポイントでタクシーをひろっている姿がみえた。西武で買い物して来たおばちゃんが、小田急で速攻タクシーを拾えるところ。おばちゃんという種族は、流石としか言いようが無い。
ま、幸の薄い30前のついてない馬鹿野郎には無理な話です。
其の後、入り時間がおいらより遅いワッちと合流して、待つ事15分。1台タクシーがやって来た。
『賃走』
がっくし。と、うなだれた。が、30メートル程行ったところで停車し、客を降ろしているではないか。「チャ、チャーンス!!」
僕は思いきり天にも届けと言わんばかりに手を振り上げ走った。が、間に合いそうにない、既に客を降ろし終え走りはじめている。もう身も心も疲弊していた僕は「もう、死んでしまいたい」と志半ばで走るのを諦めた。
ところが伊沢一葉、疾風のように僕を追い越しさらに猛ダッシュ!!少し先の信号で停車したタクシーを見事に捕まえた。
「獅子を追いかける縄文人のような奴」これからは奴に奴に追いかけられるような事は控えよう。追っかけられた事なんかないけれど。やっぱ頼りになる奴。そして、ついに40分の遅刻でスタジオに着きました。
結局、その日僕は、乗り物の乗り換え、乗り継ぎだけで10回の記録を打ち出した。なんか、賞が欲しいくらいだ。どんだけ乗り物好きなの?と自分で思うが、まあ、バスも電車もタクシーも、好きじゃないんだよ。全然。というか。
苦手なの。
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