| 12回目 | 『恋人へ』 |
| 君と離れて暮らすようになってもうどのくらいになるだろう。僕が仕事柄家を長く空けることが多く、更に一人暮らしのため君の面倒をみてやることができなかったため、ぼくのお父さんとお母さんのうちに行ってもらったのは・・・。 ぼくは今になってとってもとっても淋しいです。やっぱり本当に大好きだったんだなーと思います。一緒に暮していた頃は、ふすまやカーテンをバリバリにしたり、コートのふわふわの部分をかみかみしたり、留守中に電話の受話器を上げっぱなしにしたり、Fax用紙をめちゃめちゃに引っ張り出していたり、もうやりたい放題で「殺してしまおうか」とか思ったのですが、いざ離れて暮してみると、本当に君のことが愛おしく想えます。 おしっことうんちはちゃんとでていますか?随分前、君が尿管結石になってしまった時、本気で焦りましたよ。けれどどうにも筆舌しがたい君の苦しみ方が余りに可笑しかったから、病院に連れて行くまでその事態の深刻さに気が付かず、へらへらしててゴメンナサイ。ほんとあとちょっとで死ぬとこらしかったです。ちゃんとあとで獣医さんに叱られました。 ふすまや障子を破ってはいないですか?僕のうちはすでに”あばら屋”状態ですが実家では大人しくしてくれていますか? おなかのハゲの具合はまだよくなりませんか。お医者さんの話によると、どうやらストレスのせいだと仰っておられましたが、ほんとうかしら?と君の生活を見ているとときどき思います。まあ君は君なりに悩みがあるのでしょう。 どうかもうしばらくそちらで健やかに暮して下さい、いつの日か必ず迎えに参ります。いまは母と父の孫代わりとなっていて下さい。というか、もうそちらの暮らしの方が幸せなのではないかと思う今日この頃ですが。 「にゃあ。」 我が輩は猫である。 ・・・。 正直言って嘘である。最近まで人間だった人間が正直者だろうが嘘つきだろうがいきなり猫になる筈はない。更に、いきなりであろうがなかろうが、人間が猫になれる筈は無い。でもまあ良いじゃん。今日は猫になった気分で、くろちんに(愛猫)手紙を書いてみました。「おお!?ついに壊れたか?刄田綴色!」 とか思った方は、しめしめです。 追伸、面倒だから書かなかったけれど、語尾にいちいち”にゃあ”と付け加えてもう一度読んで頂ければ、よりそれらしいかと。 |
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